

大学受験において受験校を決めるとき、総合的な偏差値だけで選びがちだが、過去問をよく研究して子供との相性を調べておくことが重要だ。受験の鉄則というのは、得意科目の問題が難しくて、苦手科目の問題が簡単なところを選ぶこと。得意科目が難しい試験なら、できない子に差をつけることができる。難しい問題というのはセンスが悪いとまったく手がつけられないことが多いから、得意な人のほうが圧倒的に有利だ。一方、苦手科目がやさしい問題なら、自分もできる可能性があるから得意な子に差をつけられることが少なくなる。やさしい問題というのは、ある程度しっかりと勉強していれば苦手な子でもできるものだ。配点も試験問題との相性を見るうえで大きな要素だ。得意科目の配点が多くて、苦手科目の配点が少ない学校を選ぶことが望ましい。場合によっては苦手科目の配点がゼロ、つまり苦手科目が受験科目にない学校が一番いい。同じ科目のなかでも、出題分野の傾向、配点の傾向などが学校によって違うから、よく問題の傾向と配点を調べておくべきだ。
最近は、「大人の音楽レッスン」と称して、楽譜も読めない人に即席で丸覚えさせる方法もあるようだが、これなどは真の実力とはいいがたい。何年習っても上達しない人は、「スジが悪い」とか「才能がない」という以前に、絶対的な練習量が足りない場合がほとんどである。さて、学習塾にもいまはいろいろなタイプがあり、スタイル別に見れば「集団指導塾」と「個別指導塾」に分けられる。「集団指導塾」は、大教室に何十人もの生徒が座って授業を受ける。教室や授業風景はさしずめ学校か予備校のような感じで、唯一異なるのは、受験本位でクラス編成がレベル別や志望校別だったりする。専従のプロ講師やアルバイトの学生講師が教えている。生徒数が多く、授業に活気があり、受験情報も豊富で、学力の切磋琢磨には向くが、一人ひとりを手取り足取り教えてくれるわけではない。「集団指導塾」のなかには十数人くらいのクラス編成の、もう少し小規模なタイプもあるが、一般的に講師は学生アルバイトが多く、受験情報の量は大手に劣る。
ゆとり教育のおかげで、予備校と学校の授業との両立はかなり楽になったはずだ。学校のカリキュラムが圧倒的に楽になり、宿題を出す学校も減っている。むしろ、宿題を出してくれる学校は親切な学校と言えるかもしれない。だから、「両立」を特別に意識することなく、自然に両立ができるだろう。予備校での受験勉強のほうが、学校のゆとり教育カリキュラムよりはるかに先を進んでいるわけだから、学校の勉強というのはおさらいのようなものだ。学校のテストなどは簡単にできてしまって当然だ。満点が当たり前と思ってもいいくらいだ。もし学校のテストで悪い点数を取ってくるようなら、それは復習を怠っているということを意味している。予備校では、先へ先へと進んでいるから、新しいことはたくさん勉強しているかもしれないが、以前に習ったことをすっかり忘れてしまっているということだ。これでは志望校に合格することはできないし、まして最も大切な基礎学力がまったく身についていないことになる。